フィジー自然体験実習報告

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*成田集合・出発

第1日 9/4

*成田

 16:30集合のため、坪井君の友人の車で、岩松・坪井・萩谷は荷物を積み込んで14:15に武蔵工大工学部を出発。15:35頃到着。駐車場で空きを探し、数分。運良く2Fに空きができたところで駐車。

 15:50頃、待ち合わせのHアイランド南のスペースに行くとすでに3人。中国帰りの環境情報のO田さんが居て、大重さんたちと談笑している。吉崎先生からよろしくとの伝言。

 男2,女3で5人ほどの学生に手伝ってもらい、駐車場から共同の荷物を輸送。学生が続々と集まる。16:30時点であと3人。16:45に全員集合。この時点で実はまだチェックインカウンターが開いていない。寺阪さんと、東急観光の方が一気に航空券を渡し、チェックインを手伝ってくださる。荷物が多く、かつ重いものがあるので、最後は7人でまとめて預けて合計重量で通過する。やはり業務用のカメラケース2個がかさばり、面倒さの原因になっているようだ。

 17:30に再度集合。一気に出国審査を通過し、18:20にD99のゲート前集合。ここで皆川先生と電話がつながり、最後の連絡。

 ゲート前でウイングの金瀬さんと打ち合わせ。現地関係の細々した確認。成田空港は快晴の夕暮れ。

*FJ303

 最近まで空席があったので安心していたのが、乗ってみるとほぼ満席で、びっくりする。我々は団体客なので、最後部の36列から40列の座席を占拠する。我々だけ固まっていると気楽でありがたい。もっとも、最後部のため降りる時は最後になり、空港を出るのに時間がかかったが。

 機内で、中村さんと勝木先生の事前意識調査アンケートを配布。記入してもらう。

 映画のあたりから寝不足と疲労とワインのせいで意識が飛ぶ。


第2日 9/5

 南太平洋の明け方、たたき起こされ2度目の食事。日の出は雲海の上。やはり気温が低く、海上を雲が覆い、雲高も低いようだ。6:45に改装されてきれいになったナンディ空港に到着。

 入管で小さなトラブル。入国カードを鉛筆(シャープペンシル)で書いた学生が1名止められ、書き直しさせられる。もう一人は人相で止められる。

 予定よりだいぶ時間がかかって検疫と税関へ。税関でカメラケースにツッコミが入り、収税吏の居る方に回される。「私は大学の講師だ。このカメラは私の学生のために記録を撮るためのものだ」と英語で言ったら一発で放免。この国は教師を尊重してくれる。

 出てすぐにウイングのツマさん、金瀬さんと合流。連絡用の携帯電話を渡される。9921−466。NOKIA製品。

 出るのに時間がかかって、バスをまたせているので両替は後回しにして、荷物をバスに運び、移動。UTCの方が出迎えてくださる。バスに乗り、サトウキビ鉄道とスリーピングジャイアントの説明をされるほんの2,3分でトカトカに到着。UTCの野田さんはこちらに出迎え。荷物を置いて、とりあえずゲームブレでUTCからの諸注意。パンフレット配布。寺阪さんからの注意。

 各部屋の会計責任者と個人での両替希望者は8:30に再度集合することを指示して解散。

*両替など

 集合に僕が遅れ、8:45頃Tokatokaを出発、徒歩で裏口から出てラッフルズ・ゲートウェイホテルの前を通って空港に。フィジー流の道路横断。道路の中央分離帯にオジギソウが生えている。空港の建物に行くが、ANZ銀行の窓口は閉まっていて、9:30に開くまで待てという。どうやら飛行機が着いた時だけ営業し、それ以外は通常の営業時間だけ窓口を開けているようだ。カードの自動支払機は動いているが、カードを持たない学生さんには意味がない。

 仕方がないので空港内のカフェに移動。唯一フィジードルを持っていた勝木さんの支払いでお茶を飲み、時間をつぶす。以下にもフィジーらしい、注文の混乱、間違いが多発。まあ、ここはフィジーだ。盛りがよいので飲み干すのに苦労する。smallのはずなのだが。これもフィジーだ。

 どうせ9:30にすぐ両替ができるとも思えないというので、少し時間を過ぎてからANZ銀行の窓口に行く。レートは現金の場合67.4円/1FJ$。8月に比べて低下している。3月よりは悪いが、それでもほんの少しだからまあまあよしとしよう。1万円でFJ$148ちょっとになり、それに両替手数料で1回につきFJ$5ずつとられる。カードからの支払いだと62円ちょっとらしい。

 手数料の分があるので、何人かまとめて両替するように指示。

*午後:自由行動

 13:00にゲームブレ集合。部屋の3人とも熟睡していた2部屋が遅れる。交通のことなど注意。チェックアウトのことも寺阪さんから注意。行き先と帰着時刻確認。全員がナンディタウンへ行くという。スル購入はいろいろ見て決めたいらしい。Jack'sと最終日に打ち上げ予定のセンタイの場所を地図で確認して解散。

 スタッフはホテルで昼食。萩谷は金瀬さんと14:30にケネディのウイング事務所へ。明日からの打ち合わせ。17:40に戻る。学生はバレーボールや、買ってきたココナッツの実を割って飲んでいたりしている。日没の夕焼けがきれい。見晴らしの良いところはないかというので空港近くの丘の場所を教えたが、よく見えなかったそうで、少し恨まれる。星空観察。南十字星確認。空は澄んでいるが、月が明るいのが難点。火星確認。北の空にこと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブなど確認。天の川が月の光ではっきり見えない。星空観察ソフトは有効。

 20:00会計担当者集合。明日の予定の説明。カード回収。月曜のバーベキューと火曜以降の弁当持参の件について説明。


第3日 9/6

*マングローブ植林・海岸保全実習

 7:30にフロント集合、Korotogo村に向かって出発する。実際は集合に時間がかかり、7:40発。バイパス経由でナンディの裏からコーラルコーストへバスで移動。8:45にコロトンゴ村到着。荷物はバスに預けたままで、まずバスを降りる。OISCA-Fijiの山田さんの説明を伺い、ウイングのカタリーナ嬢、メリー嬢の着付けでスルを巻き、村に入る。非常に簡潔なセブセブ(タウタウ)の儀式。カヴァを2回り飲んだところで、スコップを運び正面の海岸に。海岸で指導を受けて、スコップで穴を掘り、2本ずつヤエヤマヒルギの苗を植える。砂地はいいのだが、泥っぽいところはぬかるんで作業はけっこうたいへん。人数と体力がものを言うのか、あっという間に用意した苗を植え終わり、さらに追加でトラック1台分の苗を持ち込み、これもあっという間に植え終わる。

 村に戻り、儀式の続き。Navosa-Nadroga Provinceの役所のお役人が来ていて、簡単に挨拶をし一緒にセブセブに加わる。4巡までは覚えているが、とにかくなかなか終わらない。山田さんが途中でいろいろ説明してくださる。さらにオイスカ職員の日本語のできるフィジー人の方がいて、非常に友好的に終わった。ありがたい。ウイングからは金瀬さん、Tumaさん、アピサイさん、カタちゃん、メリーちゃんと、総出でサポートしてもらった。

*午後:古民家見学、市場買い出し、KulaEcoPark見学など。

 全員をバスに乗せ、12:40にいったん宿に行く。レセプションでジュースをごちそうになり、歌で歓迎される。部屋割りを寺阪さんが手配し、とりあえず部屋で昼食。昼食はSigatokaの中華の店でチキンライスを岩松・坪井の両君が金瀬さんと手配して運んできてくれたもの。13:30に再集合し、古民家見学の組と、市場の買いだし、それにKulaEcoPark組とに分かれて移動。

 古民家組は、Cuvuの村がセレモニーで無理になったので、Fijian Resort近くのKalevu Culture centerへ向かう。着くなり半裸の戦士がバスに飛び乗り、武器で威嚇するパフォーマンス。中にはいるとまたもやカヴァの儀式のサービス。フィジアン・ブレの由来、3000年前からある陶芸のことなど、ガイドさんがついて解説。最後はフィジアン・ダンスのショーを見せてもらい、記念撮影して帰ってきた。

 Sigatokaで買い出し組と合流し、食材を運び込んで宿に移動。食材の分配。坪井君の指揮で大量の食材を買い込んだが、どうしても買い忘れが生じる。今日はタマネギが不足。その他、洗剤なども必要。さらに皿や包丁、まな板など宿の備品の不足があり、寺阪さんが駆け回る。

 マングローブ植林の時は良かったのだが、今日は波が高く、海が荒れて沖合遠くのリーフの境界で大きな波が立っている。どうも低気圧か何かが近いのかもしれない。

 どたばたの自炊のあと、20:00に会議室集合、明日の自由行動について注意。プロジェクターのテスト。本日誕生日を迎えた新宅さんのために、パン屋で買ってきたケーキを30等分してお祝い。会議室を閉めて、プールサイドでのフィジアンダンスの夕べに参加。どうも我々はリゾートに来てしまったらしい。


第4日 9/7

*自由行動

 どたばたの朝食。8:45に矢野さんがTumaさんの車で到着。

 どうも昨日の大波は津波だったらしいという話が出る。天気予報も今週は天気が怪しいというので、webで確認することにする。

 12時過ぎにUSPメンバーが到着。とりあえず男子学生4人と海洋地質学者のスザンナ先生。挨拶して、Tumaさんの車でナンディへ。ナンディにてカレー粉を買う。事務所でwebの天気予報を3種類チェック。とりあえずなんとかなりそう。

 事務所でメールを出し、webサイトを更新。金瀬さんと打ち合わせ、土曜の弁当代など支払い関係の会計処理。

 戻って炊事。クリームシチューが好評。20時会議室。会議室使用のチャージを聞いていなかったので、マネジャーとちょっと会話。納得がいかない。会議室で顔合わせ、自己紹介をさせる。あとから迎えに行った学生が来て、USP学生の総勢11名。明日の注意をして解散。

 寺阪さんが前の海岸で緑廉石の結晶の入った石や貝化石を発見する。なかなかのものだ。


第5日 9/8

*セブセブ、オリエンテーション

 8:30出発、バスでシンガトカに行き、バーベキュー関係の食材を買い足す。包丁、まな板、洗面器を宿から持参。タマネギ、キャベツも持参。なすを買い足す。肉はウイングで用意してくれている。少し遅れてシンガトカ発、窓のある立派なバスで、JICAのマークが中にある。10:40頃コロニサガナ着。イノケさんがすでに居る。金瀬さんの車を待って、村にバスを入れてセブセブの儀式。本格的なTanoaを用意してくれてびっくりする。2巡で終了。今回は比較的簡単に済ませてくれて助かる。どうもこの村の次期酋長が亡くなって金曜に葬式があるということらしい。そのためか落ち着かない印象を受ける。

 午後、バーベキューの準備で河原に移動。Bilibiliで渡河する地点の木陰で食事の用意。肉はウイングの2人の女性が買いそろえ、下味を付けるなど用意してくださったもので、野菜は我々の持参した食材のキャベツやタマネギと市場で朝買い足したなすなど。パンは行きがけに金瀬さんが買ってくださり、我々は飲料水を用意。紙皿、プラスチックのフォーク、ナプキン、紙コップなどをこちらで用意し、宿から洗面器と包丁とまな板を持参した。バーベキューはフィジアン流らしく、村の人が薪を集めてきて、火をおこし、鉄板を熱して油を引いて、次々と焼き始め、焼き上がったものは大きなたらいに入れていく。それぞれ焼き上がったところで、皿に盛りつけ、トマトソースをかけて1人前の出来上がり。

 この食事で時間を消費し、14:30になってしまった。ビリンビリで川を渡り、対岸の河原で石を各班5個集め、その石で地質のストーリーを語る訓練をする。予想外に変質岩のレキが多く、持ち込まれる石の説明に苦労した。面白いのは火山豆石のレキや、オパールの脈を持った石があったこと。またガリマーレより古いであろう石灰岩レキも少量見られた。

 16:30に終了、引き上げ。シンガトカの買い物を済ませると、宿に到着が18:40と、かなり遅くなってしまった。ミーティングの開始時間を21時にずらせる。ところが20:45からUSPの歓迎だというメケが会議室で始まってしまい、結局その終了が21:40で、我々の打ち合わせは22時を過ぎてしまった。時間が遅れるほど疲労が残る。反省。


第6日 9/9

*実習第一日

 1・2班が地質、3・4班が植生、5・6班が測量に分かれての調査。USPのメンバーは全員弁当持参で、おかげでシンガトカに寄らずに村に直行。渡河は4駆のトラック2台で2往復。

 前夜の雨で心配したが、シンガトカ川をさかのぼるとあまり雨が降った様子がない。地域的な気象の変化が大きいので、こういうことは良くあるのだが。ガリマーレ地域では雲が低かったが、とりあえず曇りで雨は降っていない。予定通りの内容で実施することにする。

 地質は東側の川沿いの調査。ブナゴルとの間の川を南にすすみ、途中から尾根に登って、QDH12の南側の石灰岩と火山岩の境界を目指すが、その途中の尾根の一つに登ったところで時間切れ。来た道を戻り、戻る途中で走向・傾斜の測定。15時にTawatawadi帰着。

 Tawatawadiに置いてある石灰岩のボーリングコアを見学し、化石や堆積構造の観察をする。Susan先生は非常に興味を示し、用意した塩酸で表面を洗ったりしながら観察し、このため11:30まで時間を取ってしまった。

 測量班はTawatawadiの正面の河原で、川幅の測定。無線をフルに使って計測している。

 4駆2台の2往復で学生を運び、バスに乗せて戻る。シンガトカでSusan先生と学生2人がSuvaに帰るためにお別れ。会議と別のフィールドへの移動のため。入れ替わりに学生が1人遅れて加わる。

 夜間、体調不良が3名出る。明日朝まで様子を見て、我々の行動予定を再検討することにする。

 食事はカレーをつくり、そこそこのできばえ。鶏肉を煮込む時にショウガを使い、そのスープをカレーに流用。粉は日曜に買ったものをつかう。

 20時からのミーティングは、各グループに自分が作業した内容や記録を発表させた。デジカメやビデオを再生して説明。


第7日 9/10

*実習第二日

 朝になると体調不良は増加し、学生6名+1名がダウン、宿で寝ていることになる。USPも3名がダウン。昨日の作業がそんなにきついとは思わなかったのだが。もっとも、他の実習内容についてはわからないけれど、きついことをやっているという印象はない。日なたにいた時間が長いほど調子が狂っているのかもしれない。昨日地質調査に参加した学生は、日本人、USPを含めて全員が今日も顔をそろえている。(しかしその後村に着いてから2名ダウン。)

 集合点に着くと昨日の飛行機で着いたウイングの中野さんが来ていた。マナ島で合流してフィジー事情の講義をしていただけるとのこと。

 昨日測量をしていた5・6班は、8人のうち5人ダウン。その5・6班が今日は地質調査の順番で、日本人3人とUSP2人で地質調査をする。人数が少ないおかげでたいへんやりやすい。しかし1人あたりの負担は増加する。ボーリングサイト15と17に登り、その途中の露頭を見るとともに、置いてある掘削コアを見学。17のコアは地質学的に非常に面白い。石灰岩のレンズが石灰質砂岩あるいは火山性砂岩の互層の間に挟まっていたり、石灰岩のレキを含むゾーンも見られる。傾斜は30度前後で、周囲の丘の斜面の露頭で見ると南傾斜であると推定される。

 天気は今日も曇りで、直接日が差さず、風があって涼しい。時たま小雨がぱらつくが、そのくらいの方がありがたい。雨期の下見の頃に比べて涼しくて快適である。

 USPの学生はKumarさんのSaleshでない方と、中国系のLindaが地質に来ていたが、KumarはFather Bonatoの学生で、あちこちの島に行って遺跡を調べ、その遺物をNZに送って炭素14の年代測定を依頼したりしているのだそうで、ラピタ文化以降のフィジーの話で突然盛り上がり、石灰岩の沢で熱く語り始める。

 今日は15時を若干過ぎてしまい、道でイノケさんの車に乗り、Tawatawadiに向かわず直接渡河して集合点の商店へ。カヴァを2杯つきあう。


第8日 9/11

*実習第3日

 朝、シガトカでJack'sに忘れ物をしたUSPの学生のためにSigatokaに停車。矢野さんがその間にColonial銀行に行って両替を頼むが、かえってそちらの方が手間取る。客はほとんど居なかったのだが、銀行の窓口のお姉さんが慣れておらず右往左往していた。

 今日は村に泊まる学生は寝袋持参。ウイングの事務所と村の集会所を使うことにしている。地質はまずボーリングコアの観察をさせる。化石の構造を見つけさせるが、なかなかわかりにくい。

 12時を過ぎてからTawatawadiの南の斜面を登り始める。途中二度休憩。最後尾の寺阪さんと特定小電力の無線機で連絡を取り合う。斜面では村の測量班と無線が良くつながる。

 岩場を越えて、ボーリング13,14を作業していた当時のキャンプで昼食。蚊が出る。Sink Holeはちょっと説明だけして通過。南へ進む。沢の底に火山砕屑岩が見える。石灰岩との不整合のポイントまで行き、引き返す。この時点で14:16。ちょっと遅れ気味。草地の尾根を3つ越えて、尾根づたいに下山。南の遠くの斜面で野焼き中。灰が飛んでくる。オオコオモリが滑空している。帰着16時。現地泊組を残し、渡河。バスに乗車しSigatokaへ。USPメンバーと別れる。

 夜間のミーティングはなし。各自作業にする。夕食は坪井君入魂の野菜スープ。22時頃、近所の(あるいは他のホテルの宿泊客か?)韓国人系の酔っぱらった若者が邪魔しに来たので、その応対。なんとか追い返す。村に泊まらずにこちらに残った意義があったと言えよう。でも疲れた。うそをつくやつは嫌いだ。


第9日 9/12

*マナ島移動

 早朝から起きだして宿の前の海岸で、先日の津波によると思われる浜崖の崩壊を撮影。朝食の用意。病人食の卵粥だが卵が足りず、出汁と塩で適当にごまかす。8:45現地泊組帰着。みな首にもらった飾りをつけ、両ほおに白い粉をつけている。たいへん楽しかったらしい。大急ぎで片付け、出発の支度をして集合。


第10日 9/13

*マナ島

 5:30集合のはずが寝坊し朝5:50に飛び起き、日の出を見るためにLookout Pointに登る。15人ほど来ている。


第11日 9/14

*ナンディ移動


第12日 9/15

*帰国


H.Hagiya 2003.9.6-