フィジー自然体験実習・2005現地報告

 →2005準備関係データ 東急観光フィジー実習2005ページ(寺阪さん作成)


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 奇跡的に購入したライフジャケットも写真類も出発に間に合う。13:55武蔵工大発。佐藤先生のワゴンで荷物ごと輸送させてもらう。15:30成田空港着。15:35、出発ターミナル。学生2名を見つける。16:00、学生6+1名、引率者3名。意外に成田空港は空いている。

 全員集合を確認し、16:45チェックイン開始。17:10完了。18:20にC85ゲート集合を指示していったん解散。電源のコンセント変換プラグと三又を買う。おみやげの選定。17:50出国審査。18:05、C85ゲートへ。学生を待つ。18:30全員そろって機内へ。52列の座席というのは通常の767-300ではありえない。どうやらカンタスの代機で、767-338という機種らしい。いつもより少し機内が快適な気がする。エアパシフィックの客室乗務員も心なしか陽気だ。座席の埋まり具合は3/4との話だったが、うまい具合に3列空いているところもあり、佐藤さんが移動する。19:14離陸。千葉の夜景が美しい。大きく旋回して上昇。機内モニターで位置や対地速度、気温などが表示される。機内食はウナギ弁当とチキンカレー。当然のごとく後列の我々には選択権はない。まあチキンカレーでいいのだが。映画開始。すぐ寝る。

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 機内は暗いのだが、寝苦しくて3時間ほどで起きる。水を補給する。後ろの席の学生が眠れないというので話し相手をする。星が見えるので星空ソフトで解説。フィジー時間5時(日本時間2時)、照明点灯。5:30朝食。この時間では僕は食えない。6:10日の出。着陸状況の放送。


上空から見た朝のマナ島。

 雲のじゅうたんがだんだん切れて、ヤサワ諸島、ママヌザ諸島が見え隠れする。マナ島上空を通過。大きく旋回しビチレブ島が視野に入る。地上付近はガスっぽいのか。6:45着陸。入国審査、荷物受け取り、税関を通る。問題なく通過。ATSの野田さん、谷さんたちの出迎えを受ける。学生に両替指示。7:30バスでタノアへ。


カンタス航空の代機。初めて乗った767-338。

 どうやら早すぎて部屋が確保できないようだ。11時まで待てと言う。WestpacのCDで1000$をおろす。8:30準備のできた2部屋にとりあえず女子学生を入れて休ませる。僕と勝木先生、矢ヶ部先生でウイング事務所に行き、デポ荷物の確保。帰りにスーパーで昼食用カップ麺10個と燃料補給。タノアに戻る。9:40。男子学生はプールで泳いでいる。部屋ができたところから移動する。10:30移動。さっそく荷物をほどき、無線機のセットアップ。充電池の充電。11:00休息。12:45起き出す。無線機をセットし、充電池と変換プラグをセットで、各班に渡す物品セットをつくる。13:00レセプション前。無線機を渡して使用法の注意。自由行動の指示。寺阪さんが買い物の注意。明日のチェックアウトと日程連絡。共通食材+食事代5000円徴収。スル販売。11枚売れる。各自解散。15人ほどがタクシーでナンディに向かう。14:00タノアで昼食。14:55終了。ナマカに女子学生2名徒歩。部屋に戻って爆睡。17:20起き出す。学生の帰投状況確認。18:10全員確認。

 18:30ホテルで夕食。20:00部屋。20:30食材係を集めて明日の行動指示。市場とスーパーでの買いだし内容の説明。22:00解散、ネットにつなぐ。後発組の合流方法の指示などメールで連絡。22:30眠れない学生来訪。矢ヶ部先生が対応。23:00風呂。矢ヶ部先生の応援。0:30引き上げ。GPSデータ抜きだし(5台)。メールの応答。記録。2:30就寝。

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 6:40起床。ネットにつなぐ。7:20勝木先生と佐藤先生が来て朝食。勝木先生がパイナップルを洗面所で切り、パンと紅茶で朝食。8:05チェックアウト。8:30玄関集合だが、1部屋だけ遅れる。荷物を玄関脇の小部屋にデポ。8:45のはずの迎えのバスが来ない。8:55モキャンボのマイクロバス到着。移動。9:00モキャンボ。会議室の準備のためラウンジで待たされる。イノケさんが待っていて旧知の面々と握手。すぐにツマさんも来る。ツマさんの講義。学生のためのフィジー事始めのような内容。先史時代から現在まで、人類学の内容も含む。宗教、社会、村に入る際のエチケット。観光案内、結婚式なども。プロジェクターを使い、親切に画像とword文書のファイルで説明してくれる。学生もけっこう質問している。


ツマさん(Manoaさん)の講義。後方はイノケさんの地質図。

 10:40イノケさんの講義。休憩無しで連続で講義になってしまった。フィジーの地質図を掛け図にして、地質の概要の説明。専門用語が多いので、学生がそのまま理解するのは不可能と判断し、途中で僕がまとめて翻訳することにする。フィジーの地質はビチレブ島で最古の地層が40Ma、その回りに28Maくらいのワイニマラ層群、貫入岩類、ナモシの斑岩銅鉱床を含む若い時代の貫入岩。それらを覆うように8-3Maの玄武岩を主とする地層が北側に分布し、その中にバツコウラのようなカルデラが一列に分布し、金の鉱脈鉱床がそこに発達しているという話。東に向かって若くなり、タベウニは一番新しい(活動中の)火山。ワイニマラ層群は海底で形成された塊状硫化物鉱床を多く含み、日本の黒鉱に似ているという。貫入岩に伴う鉱床は、浸食の度合いによって異なり、浅部が残っていれば鉱脈鉱床、深いところまで露出すると斑岩銅鉱床といったバリエーションを生じていると説明。

 地質の調べ方の説明。まず、どんな岩石かを判断し、その岩石がどんな構造をつくっているかを理解する。鉱床の場合は、どのような変質(熱水変質)をこうむっているか判断し、その変質のタイプを調べる。石灰岩の場合(ガリマーレの大理石開発)は、岩石の種類を判断し、構造を理解し、大理石石材としての商品価値を判断するという点で、少しやり方が異なったとのこと。彼にとって石灰岩−大理石の現場は初めてであったとのこと。

 イノケさんの自分史も少し語ってもらう。お金がなかったので高卒後大学に行かず、地質学に興味があったのでバツコウラ鉱山に勤める。そこで地質学の実務を学び、会社のお金で勉強させてもらう。USPでDiplomaを取得し、その義理があったので15年バツコウラに勤め、その後1976頃ナモシの斑岩銅鉱床の開発に関わる。15人の地質屋をまとめてデータをそろえると、どうしても合わないので、自分で現場に行って確かめる必要があった。聞いただけの知識ではダメだという話。その後いろいろなタイプの鉱床を学びたくて、フリーの地質屋になる。1990年代はパプアニューギニアやソロモンの鉱山で働いた。その間、彼は知識のある人の話をじっと聞いて、頭に入れることをして学んできた。学校にはほとんど行っていないが、現場で知識のある人の話を聞いて覚えることで、とても勉強になった。だから、他人の話に対しすぐに議論したり、無視するのではなく、なんでも人の話をじっくり聞いて理解してみなさい。それは何事にも通じる人生のコツだ、とアドバイスされる。

 11:40講義終了。寺阪さんがツマさんの車で昨日頼んだ弁当を取りに行ってくださる。12:00昼食。ツマさんの携帯に日本の中野さんから電話。明日以降の話を中野さんと打ち合わせ。12:25学生に自己紹介をさせる。12:55終了。片付け。玄関に出てバスを待つ。いったんタノアに回ってデポした荷物を積み込み、モキャンボに戻ってくる。シンガトカ方面に向かってクイーンズロードを移動。裏道ではなくナンディタウンを通る道なので少し渋滞を心配する。バスのマイクは不良で、ATSの事務所の横に止めて変わりのマイクが届くのをしばらく待つ。ナンディタウンは混んでいなくてすんなり通過。モスクやヒンズー教寺院の説明を谷さんがしてくださる。カリブ松の説明、海岸段丘の説明。マングローブの説明。シンガトカ石灰岩とボリボリ洞穴の話。シンガトカ大砂丘とラピタ人の話。14:45シンガトカ。Jack'sの前にバスを置かせてもらい、買い出し。


シンガトカの屋外マーケット。土曜はお昼までで本来のマーケットは閉まってしまい、外のスペースだけ営業中。

 勝木先生、佐藤先生、稲吉君に率いられた7人の各班食材係がマーケットとスーパーに別れて調達。FJ$100ずつ渡したが、スーパー組は現金が不足し130$、マーケットは大量に余って74$使わずに残す。15:15再集合だが10分遅れて出発。クロウズネスト着。バスが上の駐車場まで上がったので、そこで荷物を降ろし、部屋の鍵を寺阪氏が預かってきて、荷物運び。荷運びが終わり、一息つくと、学生は全員前の海岸に出ている。さっそく泳いでいる学生もいる。風が強いので、水温は高いが水から上がると寒いはずだ。寺阪さんは様子を見に行ったところ記念撮影係にさえれてしまう。僕はベッドで休憩させてもらう。18:30夕食。


佐藤先生、勝木先生の作品で夕食。野菜炒め、オムレツ風卵焼き。キュウリのチリ味浅漬け。ゆでキャッサバ。

 19:30レストラン・バーへ。20:00南十字星が見えかかっているので無線で学生を呼ぶ。クロウズネスト前の海岸に集合させる。次第に雲が晴れ、天の川が見え、南十字星はもちろん、金星、木星、スピカ、射手座、はえ座、ケンタウルス座α、β、フォーマルハウト、さそり座など、星座ソフトと首っ引きで確認。学生に説明しようとして移動したときに浜崖を転落。背中を打つ。地質学者が地面ではなく星を見ていて転落するとは恥ずかしい。21:00からプールサイドでメケショーなので、学生に行かせる。部屋に戻り、寝る。23:30起き出す。会計処理などいろいろお仕事。くしゃみをしたときに打撲の背中が痛んで、ちとまずい感じだ。これからが本番だというのに。お湯が出ないという学生の対応に矢ヶ部先生が行く。そして寺阪さんが応援に。メールの応答。2:30消灯。僕は眠れずデータ打ち込み。3:40就寝。

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 8:20起床。寺阪さんの尽力で朝食は本日のみサービスということになっている。出国前の話では朝食付きだったのだが、危惧したとおりこちらに来てみるとそんな話はない、とホテル側は言い張る。まあクロウズネストのことなので予想してはいたが。


最初で最後の朝食風景?

朝食を注文したところでツマさんから電話。レセプションに来ているとのこと。箱田さんを送ってきてくれたらしい。僕と寺阪さんでレセプションに下りる。ツマさんの小さい息子さんが一緒で、箱田さんが来ている。僕はツマさんとツバクラへ。支払いを済ます。裏道を教わる。クロウズネストに戻り、入れ替わりに勝木先生、佐藤先生とアシスタント1名の買い出し部隊がツマさんの車で出発。10:20買い出し部隊戻る。佐藤さんの茄子・ソーセージ入り特製トマトソース、勝木先生がパスタを茹でて昼食。

 12:10ソフィー以下USPメンバー到着。食事代を渡す。13:00会議室でお互いの自己紹介。簡単な日程の説明。13:30海岸へ。まず海岸に露出する緑色岩を見る。岩石の種類を判断させ、緑廉石の説明。方解石脈を探させる。東へ海岸沿いに歩く。石灰質砂岩のタービダイトの岩が露頭か転石か、ソフィーがUSP学生たちに質問する。こちらの学生にも質問。変形の度合い、地層のキャラクターの違いなど。走向・傾斜を目分量で読ませる。走向方向に似た岩石はないのか。緑廉石のきれいな結晶を寺阪さんがいくつも見つける。


緑廉石epidoteの結晶。方解石脈に伴い大きく成長したもの。

 コロトンゴ石灰岩の説明。6000年前の石灰岩(炭素14年代のデータあり)。ノッチと雨による浸食から石灰岩を判別できること。珊瑚礁の側方への成長とラグーンの形成など。海水面変動と隆起・沈降の可能性を判別する方法を考えさせる。


コロトンゴ石灰岩。縄文海進時の礁成石灰岩が残存したもの。

 珊瑚礁観察のため、リーフの縁まで歩く。非常に東からの風が強い。リーフに打ち寄せる海水がしぶきになって舞い上がり霧をつくっている。途中、勝木先生の解説。体温より高い海水温。ラグーンは過酷な環境だなと思う。ブルーの鮮やかな小魚が足もとを泳ぐ。学生が苦労しながら歩いていく。一部の学生は泳いで水中の観察。リーフの縁では外側の海水が流れ込む。冷たい海水が足もとを通過するが、これが本来の海水温(26度)なのだろう。潮位が上昇する前に岸に戻る。15:20終了。徒歩でそれぞれのホテルに戻る。一部の学生はUSPの泊まるツバクラへ遊びに行く。


珊瑚礁の縁まで歩く。

 守衛所の裏で足を洗う。切り傷をつくった人には傷を乾かすように指示。僕はシャワーを浴びるついでに風呂場で洗濯。日が出ているうちに干す。休息。18時前学生たち戻る。気象衛星画像で雲の分布確認。18:40夕食。明日の実習の打ち合わせ。19:30終了。機材準備。20時会議室集合。明日の連絡、本日の観察事項の整理、勝木先生が珊瑚礁の生物についてビデオを駆使して図鑑を使い説明。GPSの班毎の配布、簡単な使用法説明と注意。英語でのプレゼンテーションの見本?として、今日の珊瑚礁観察でわかること、珊瑚礁の発達のしくみを僕が英語で解説。隆起と海面変動の区別法を学生に質問をする。館山の沼サンゴの話。地域性とグローバル変動の識別。記載することの重要性。記録をとりましょう。明日のセブセブ関連の注意。21時頃終了。

 メール処理、スル販売。明日のルート確認、地図の用意。24時いったん寝床に入る。後発組とのメールやりとり。2:40就寝。

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 6:30起床。すでに勝木先生がご飯を炊き、佐藤先生が野菜炒めをつくっている。天気は良さそう。8:00バス到着。8:30、まずツバクラにUSP学生を迎えに行く。8:50クロウズネストに戻る。シンガトカで15分の昼食他買い物。コロニサガナへ。コロニサガナ10:30、いつもの集会場ではなく酋長の家の集会場でセブセブ。終了後、女子学生数人がトイレを借り、その間に写真撮影を頼まれた学生が走り回って作業。11:50川岸に移動。昼食。ボートで河原へ。今回はライフジャケットがある。シンガトカ川の水位が低い。対岸の河原で石探し。5個選んでストーリーをつくれ、という課題。いろいろな石を見つける学生がいる。晴天で暑い。13:00タワタワンジ村へ。測量班は村と川岸の測量、植生班は村の周囲の植物。地質はボーリングコアとQDH11までの斜面登り。15:10終了・集合、16:00少し前出発、17:00シンガトカ(僕はイノケさんの車でソフィーと先にクロウズネストへ)。17:40帰着。21:00ミーティングのためUSP学生輸送。2往復。21:22開始。23:30終了。就寝2:00。

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 5:20起床。7:00朝食。8:00出発用意。8:30集合、レセプションで朝食に来なかったのはどういうことだと文句をいわれる。何か行き違いがあるらしい。ツマさんの車でイノケさん、3人組到着。荷物を部屋に運んでもらう。ツバクラから回ってきたバスに8:40頃乗車。シンガトカに向かって発車。僕と箱田さんと3人組はあとからイノケさんの運転する車で移動。ツマさんは帰る。シンガトカにてランチ・飲み物購入後、ガリマーレへ。シンガトカでタワタワンジの村長に出会い、びっくりする。結局バスに同乗したのか?ナマレマレの村の人(村長?)を紹介される。僕はイノケさんの車の助手席で別行動。10:00タワタワンジ到着。車の座席で休ませてもらう。10:30地質の学生到着。トイレと水の用意。ソフィーがコアチェックをするので、まずはボーリングコアを見る。昨日と同じQDH12とQDH13だが、QDH13に学生が群がる。サンゴ化石を探させるが、今日は意外に見つからない。まぶしくて暑いからか。11:40イノケさんとソフィーの提案に従い、集会場で昼食。12:00タワタワンジ村の裏から山に登る。12:30崖下へ。休憩。地質の順番を説明。勝木先生から無線で連絡。先に前進するとのこと。方解石の結晶の採集を寺阪さんに任せ、先に崖道を上る。13:00ランチサイト到着。小休止。カルサイトサンプルの分配。説明。残り2時間での行動配分を考える。クリークに沿って南下。シンクホールは簡単な説明だけで通過。QDH14に向かうイノケさんとソフィーと別れる。安山岩の火山角礫岩の露頭を確認。道を登って草地の斜面で大小様々の礫を確認。露頭に露出するめのう脈をUSP学生が発見し、割ってみんなで持ち帰る。不整合露頭に向かう。途中、でかい文旦やライムのような実をもぎる。不整合露頭で岩石の変化を確認させ、白黒の礫の輪郭を確認させる。堆積環境について考える。14:00帰途につく。砂岩の露出する谷と小さい尾根を2つ越え、300mの峠へ。そこから尾根づたいにガラガラ沢に向かって下りる。途中砂岩や砂泥互層の確認。時間がないので叫ぶだけ。鍾乳洞経由、15:20頃橋へ。さらに村に歩く途中、ソフィーとサンプルを載せたイノケさんの車が迎えに来て、それに乗せてもらい、車でブナゴルの上流を渡河。15:50頃バスへ。その間、無線で佐藤先生を呼ぶが、見通しがきかないとなかなか通じない。全部で11人がボートを使わず車で渡河することを連絡。通じたか心配になる。バスのところで学生を降ろし、先にシンガトカに向かう。疲労で半分くらい意識が飛ぶ。シンガトカでツマさんと待ち合わせ。僕が運転する自信がないので、ドライバー交代をクロウズネストにしてもらう。17:00イノケさんツマさんとともにナンディに帰る。ソフィーと僕はレセプションでバスを待つ。ATSの谷さんから電話。朝飯は料金に含まれているから遠慮なく食べてくれとのこと。少し安心する。17:30バス到着。20:30ミーティングを指示。20:10に矢ヶ部先生が車で第一陣の迎えに行く。寺阪さんはお祝いの準備。20:30すぎにUSPとの合同ミーティング開始。各班が今日の作業内容と観察事項を報告。明日の夕方USP学生が帰るので、一応の挨拶をして21:40終了。寺阪さんがケーキを持参し、USPの学生1人と日本の学生2人の誕生日(9/4,6,8)を祝う。ろうそく3本を用意。切り分ける。日本人学生もUSPの学生も、やたらと甘いケーキを肴に楽しく話す。ソフィーは明日朝6時から7時で、1人の学生の追試をするとのこと。その対象学生は明日朝の試験に備えるでもなく、仲間と楽しく談笑している。これで大丈夫かねえ、とソフィーがため息。教える方もたいへんだ。22:30部屋に戻る。2:00就寝。

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 6:30起床。干潮の海が鏡面のように静かに空の雲を写している。朝食はサービスだが、我々は体調管理には自炊の方がいいということで、佐藤先生、勝木先生の卵焼き、野菜炒めでパンをかじる。今日はソフィーが張り切ったのか、USP学生を乗せたバスは8:15頃に来る。USPのKhasai先生とスーザン先生到着。彼らはUSPの4駆で来ているので、行き先を教えて勝手に行ってもらう。8:30出発。昨日に続いて、梱包材を胴に巻き、粘着テープでグルグル巻きにして肋骨を固定する。一人ではできないので矢ヶ部先生に手伝って巻いてもらう。行きは例によって僕はイノケさんの車に乗せてもらう。ランチ・水購入のためシンガトカ経由で、いつものように移動。トンガの対岸の売店前で待つ。地質と植生の学生をここで降ろし、測量の学生はいつもの渡河点にバスでそのまま移動する。地質と植生の学生はイノケさんのランドローバーで出発点のトンガ西まで移動する。2往復で足りず、3往復。その間、イノケさんはトンガでガイドの若者を雇う。待っている間に位置確認をさせ、USPのスーザン先生は我々に同行し、ソフィーとKhasai先生はQDH14に登ることにする。地質班は植生班を待たず先に山に向かって出発する。地図コピーが少し足りないが、まあ何とかなるだろう。日差しが強いのでパパイヤの林から森林を抜けるコースで登る。11:00出発。途中、トンガ村の水源のひとつを見学。川エビが水槽の中にいる。誰かが放したのか。石灰岩の沢に出て、さらに登り、草地からの道に合流。さらに一気に登り、河原で礫の観察をさせる。種類の異なる5種類の石を見つけろと指示。それなりに石の種類は見分けられるようだ。ちょうど12時になったので昼食。きれいな方解石の結晶が生えた脈を学生の一人が拾う。スーザン先生と議論。USPの展示準備で忙しい話。学生たちの研究も発表するので、3つのポスターを仕上げねばいけないとのこと。研究費を出してもらうにはたへんだ。12:30、QDH17に登る。日差しはきついが風があるのでそう暑くはない。見晴らしがよいので学生は歓声を上げる。尾根を少し登り、スーザン先生先導で石灰岩の観察。砂岩層の走向傾斜の測定。遠くにガイドの村の若者が歩いていってしまい、どうも彼らは役に立たない。時間がないので置き去りにして戻り始める。戻り始めたところで植生班の無線が通じ、彼らのグループに出会う。勝木先生に話を聞くと、僕たちの踏み跡を見失って苦労したらしい。僕はうっかりイノケさんがついているはずで道がわかっていると思っていたので、ガイドの1人を回すなど配慮すべきであったかもしれない、悪かったなと思う。さらに学生2人が気分が悪くリタイヤしたとのこと。どうも一人は二日酔いと寝不足が原因らしく、勝手に姿をくらましたらしい。何をしに来たのかと腹が立つ。13:20移動開始。来た道を戻り、途中から草地につながる道を下りる。


草地の斜面を下る。


砂岩の分布する尾根

山焼きがさらに進んでいる。安山岩の火山角礫岩を確認させ、断層露頭の解説。時間がなくて、意義は僕の意見を説明して終わり。少し下で砂岩層の走向・傾斜を測らせる。測り方がわかっていなくて、指導の不十分さを痛感する。14:15道に出る。イノケさんが待機している。イノケさんは村で明日の宿泊準備で動けず、ついて行けずに申し訳ないとのこと。行方不明二日酔いUSP学生は道の途中で発見、捕獲したとのこと。一安心。地質の学生をタワタワンジ村に運んでもらい、コアボックスの観察。QDH17を広げたいが、12と13が広げられたまま、17は展開されていない。イノケさんが労働力を探しに行くが、スーザン先生がもう自分たちでやってしまえと学生2人ずつでコアボックスの両端を持ち、運び出し始める。6段に積みかさなっている。コアの観察。戻ってきたイノケさんにコアの層序のまとめの説明をお願いする。15:15終了。Khasai氏とソフィーが戻る。挨拶。今後も続けたいからよろしくという。やる気があるんだったらちゃんと泊まって自分たちの学生の面倒見ろよ、ソフィーがかわいそうだろ、と思う。彼らは4駆で帰る。我々はランドローバーと徒歩−ボート渡河で測量班の到着を売店で待ち、バス移動。

 17:00シンガトカでUSPの学生と別れる。僕はイノケさんのランドローバーで一足先に宿へ。途中で待機していたツマさんには先に帰ってもらい、USP学生輸送の用がないので、イノケさんにはランドローバーを宿に置かず運転して帰ってもらう。部屋で洗濯などすませる。やはり背中の肋骨が痛い。17:30バス帰着。本日は会議室を取っていないので、20:30以降、各グループごとに教員部屋の17で本日の成果を発表してもらうことにする。20:50に最初のグループ到着。以下、22:30まで3グループの発表。発表の終わりに、明日の村宿泊の希望を聞く。学生13名、アシスタント3名が希望。教員は2名が行ける計算になる。発表終了後、明日の実習計画を後発組のアシスタント3名に聞く。ばたばたと出入りが多く、0:30頃まで落ち着かない。2:40就寝。

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 6:20起床。本日は村宿泊のため、10部屋を4部屋に圧縮するので、荷物移動があり、荷造りに時間を取られる。8:30集合だが、8:45にそろう。9:10シンガトカに移動し、買い物を10:00までやらせる。僕はイノケさんと相談し、彼のアドバイスに従い、スーパーで油2本、タマネギ40個、にんにく4袋をプレゼントとして仕入れる。イノケさんには先に行ってもらい、僕は実習の打ち合わせのためバスで移動する。  11:00頃、渡河点前に到着。ボートで渡る。タワタワンジ村の集会場へ上がる。イノケさん曰く、みんな疲れた顔しているぜ、とのこと。確かにそうかもしれない。本日は軽いメニューで実習の締めくくりとする予定。前半は地質・植生・遺跡見学・水源見学の4コースに分かれたツアー。13時に再集合して後半の講義とする。地質は7人なので、イノケさんの車でガラガラ沢の橋のところまで送ってもらい、鍾乳洞方面に向かって出発。その後イノケさんは車で水源見学の学生を送るために戻る。11:40河原で石を拾わせる。11:50畑を抜けて、民家の裏の斜面で火山角礫岩〜礫岩の観察。鍾乳洞で12:20、そこで昼食。鍾乳石の形成の説明。地層の順番の確認。12:40戻る。12:55橋に到着。イノケ車でタワタワンジまで送ってもらう。

 13:00すぎ、アシスタント3名の講義開始。建設計画や村の住居の形式、その理由など。建設計画の理由や背景など僕が説明する。14:10終了。帰投時間まで思い思いの時間を過ごす。僕は少し昼寝。ばたっと寝ころぶ。15時、ホテル組が村を出る。イノケさんの4駆でバスまで送ってもらう。あとには我々だけが残される。17:00、イノケさん経由で本日の日程確認。やはり村の人たちはダンスをしたいので、少しの時間なら、ということでOKする。昨年は遅くまでかかったので、21:30には終わらせる、とイノケさんがいう。ブタさん1匹、本日の夕食のためにロボに供される模様。ブキー、ブキー、ブキーという断末魔の叫び声を聞いてしまう。8月にコアボックスの回りでお話ししていたお友達の1匹を食ってしまうのかと思うと複雑。18:00、日没前に発電機が回り始め、電灯がつく。

 18:30夕食準備。セブセブと夕食が同時に行われる。正面に村人が並んでいる状態で、ご飯をバッフェ形式で各自取りに行く。おいしいが、ちとプレッシャーだ。彼らは僕らが食事を終えるまで食べられないのである。なんだか申し訳ない。ぶーちゃんのお肉もいただく。普通においしい。成仏してくれたまえ。食事後ダンス。平行してkavaの杯が回る。7,8杯飲む。特に村長が持ってくると断りにくい。向こうも少しにしてくれてはいるが。ううむ。村のごっついおねえちゃんにダンスの際に背中の痛いところをつかまれたのと、くしゃみが響いてひどく痛む。21:30終了。くたびれた。常夜灯の代わりにランプをひとつ貸してもらう。蛍光灯を消す。22:00発電機停止。22:30就寝。

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 朝4:00頃、起き出す。星が美しい。逆さのオリオン座、シリウス、すばるなど確認。


村の朝。

 6:00朝食準備、6:40朝食終了。記念写真。7:10イノケさんのランドローバーで第一陣を出す。コロニサガナでミニバスに乗せ、クロウズネストに送ったとのこと。7:55第二陣出発。トンガで渡河する。朝のガリマーレの風景は初めてで、ひどく新鮮に見える。


村の集会場前で記念写真


タワタワンジ村。

 シンガトカバレーロードに出て、8:40過ぎクロウズネスト着。すぐに出発準備。すでに大わらわだ。9:30レセプション前集合。チェックアウト処理の際の電話代明細で多少混乱する。9:45完了。バスに乗り込む。デナラウへ。途中、シンガトカのラッキーコーナーで昼食を積み込む。野菜炒めライスと炒飯。3.8$と安い。シンガトカ大砂丘などで解説しながら先に進む。11:20頃、デナラウマリーナ着。荷物の積みおろし、デポ荷物の分別に手間取る。キャッシュコーナーで現金をおろそうとするが、どうもダメだ。限度額を超えたのかもしれない。デポ荷物の運送を頼むため、谷さんの携帯を借りてウイング事務所のツマさんに連絡。出航時間を間違えたので再度連絡。11:52乗船。ツマさんが荷物を積み込んでくれるのが見える。手を振る。12:15出航。途中3ヶ所に寄り、マナ島へ。13:30頃マナ島到着。水崎さん、松本さんの出迎えを受ける。ママヌザレストランで説明。ウェルカムドリンクのサービス。部屋割り表をつくってくれていて助かる。15時再集合を指示して解散。部屋に戻ると、ベッドやタオルの不足の連絡で、寺阪さんが対応に追われる。15時再集合。松本さんが現地テクニカルスタッフと案内してくださる。まず水リサイクル施設。昨年工事中だった設備が完成し、コンピュータ制御で、ポンプや送風機がうなっている。正面の尾根のタンクが二次処理水のものだったことを知る。続いて海水淡水化設備。逆浸透圧法の説明。都市基盤の学生はさすがに飲み込みが早い。電源設備見学。


電源設備の説明を受ける。

ルックアウトポイントに登る前に、畑スペースで伝統文化紹介のプログラムについて説明を受ける。ルックアウトポイントでマナ島全体の説明。そして16:35頃解散。20:30再集合を指示。自由時間。19:00松本さんと夕食。東洋大学のグループが隣で夕食。だいぶ雰囲気が違う大学生たちだという気もするが、年格好が似ているので紛らわしい。20:30学生たちに島の3つの海岸沿いのGPS測量と植生・地質観察の課題について説明。方眼紙とクリップボードを配る。21:20部屋に戻る。なんだかんだと忙しい。23:00頃就寝。

9/10

 3:00に目が覚め、4:50まで作業。記録の更新。寝直すと6:10、すでに同室の2人はいない。日の出を見るためにLookOut Pointに登る。途中で東の空に虹を見る。日の出には間に合わず、朝日が山頂を照らしている。6:50戻る。8:05朝食。東洋大学の学生が年齢がほぼ同じ、服装も髪型も似て紛らわしい。つい自分たちの学生と間違えて声をかけそうになる。みそ汁とご飯を中心に、適当に食べる。8:50戻り、9:40ボートブレ前集合。空が黒くなり、通り雨がぱらつく。10:00船2隻に分乗してシュノーケリングに学生たちが行く。21名シュノーケリング、3名見学(監視員)、僕と勝木先生とアシスタント一名で陸上の地質植生観察。ノースビーチに出て、岩場の観察。


朝の虹。

 例の「遺跡」を見学し、周囲の岩石を見る。岩石そのものにどうやら面白い構造があることに気づく。これまで疑ってはいたが、非常によくわかるところを見つけた。岩脈の柱状節理の観察。冷却面に垂直に節理が入ることから、岩脈ののびの方向を読み取り、連続を追う。小さな岬を回って反対側まで連続を確認。


ママヌザ諸島北部を望む。

 ビーチロックの観察、飛行場に上がって、海浜植物の観察。沖のダイブポイントに船が来ているのが見える。飛行場から歩いてサウスビーチへ。到着直前に無線が入り、シュノーケリングの一行は帰着したとのこと。12:00過ぎ、学生たち確認。勝木先生はサウスビーチ西側の植生確認に歩いていく。部屋へ移動。少々休息。お湯を沸かす。12:50矢ヶ部先生は昼食をとりにサウスビーチレストランへ。テイクアウェイでチキン照り焼きバーガーの皿を持ち帰ってくる。寺阪さん休息。学生も多くは寝ていて、15時から調査するという話を聞く。13:55、昼食のため教員4人でサウスビーチレストランへ。本日のスペシャル・日本風焼きそばを注文したいがみな怖くて注文を控え、最後にオーダーを取られた勝木先生が注文する。しかし意外に日本のソース味でおいしかった模様。15:00前、部屋に戻る。洗濯機を見に行くがなかなか空かない。16:50無線で2組の調査完了を確認。サウスビーチ組の班だけ無線がつながらない。確認した内容を聞くと勘違いがあるので訂正する。17:40バーで学生たちがデータを検討しているのを見かける。岩石の種類確認に呼ばれる。19:00支配人の水崎さんと教員5人で夕食。ロボ料理のバッフェ。20:00戻る。21:00勝木先生の部屋に移動。21:30最初のグループが発表に来る。23:30終了。1:30就寝。

9/11

 6:30起床。記録整理。7:05朝食、7:50戻る。8:30荷物出し。チェックアウト。9:45レセプション前集合。2グループ少し遅れる。桟橋へ移動。途中Yokoさんに出会い、みんなで一緒の写真を撮る。浜辺で全員の記念写真。


学生だけの記念写真。

荷物を積んだトラックが遅れているうちにタイガーIVが入港。荷物を待たず乗船。水崎さん、松本さんの見送り。新婚カップルが残り、結婚式出席の家族が帰るようだ。満潮に近い。キャスタウェイ、マロロを経由してデナラウへ。12:00デナラウ。荷物の積み込み。12:30中村レストラン。いつもながらおいしい昼食をいただく。13:30タノア移動。17:30センタイを指示して解散。部屋が2つクリーニングが遅れていて学生が2組待たされる。センタイに電話。ツマさんに電話。夕食に招待の件。休息。16:10玄関へ。タクシーでウイング事務所へ。17:00ツマさんが現れ、荷物を積み込ませてもらい、17:10センタイへ。まだ鍵が閉まっている。ジャックス前の学生たちに合流。途中キャッシュコーナーを2つ試すが、ダメ。17:30センタイに入る。飲み物を注文。ご主人と打ち合わせ。料理はお任せで頼む。料理がなかなか来ないので、ビールとオレンジジュースで乾杯し、学生1人1人の1分プレゼンをさせる。18:30イノケさん夫妻到着。18:50料理が来始める。英語でのスピーチ。各テーブル代表の学生にも頑張ってもらう。


頑張って英語でスピーチ。

21:15終了、バスでタノアへ。21:30帰着。21:40機材回収と参加記録用紙配布のためロビーへ。学生が使った機材の部品紛失や破損が多いのでげっそりする。消耗品だと思わないとダメだな。23:00頃意識不明。つかれてベッドにうつぶせのまま寝る。1:00起きだしてメールのチェック。地球の裏側のドイツから考古学者のO氏から届いている。向こうも大変そうだ。3:30記録をアップして寝直す。

9/12

 7:15、勝木先生の訪問で起きる。新婚と間違えられたのか、フルーツ盛り合わせが彼らの部屋に置いてあったので、それを切って持ってきてくれる。佐藤先生も来て5人で朝食。7:45解散。チェックアウト準備に追われる。8:15集合なので急いで準備する。僕の部屋は僕が戻ってくるのでそのまま。明細だけ寺阪さんがもらってきてくれて、彼の分の精算を済ませる。僕のクレジットカードが使用不能になっている(限度額オーバーか?)ので、前夜、寺阪さんにカード払いをお願いし、かつ今後の生活用フィジードルを彼のカードで降ろしてもらった分を日本円で渡してある。

 8:15玄関へ。すでにイノケさんが来ている。すぐにツマさんも現れる。輸送と見送り後のスケジュールを相談。医者に行くのは午前中が良かろうとのこと。8:20タノアのバス出発。乗り切れなかった人はイノケさんとツマさんの4駆に分乗。空港へ。谷さんが出迎え。チェックインをすませる。谷さんから諸注意。寺阪さんから補足。僕からも補足。記念写真。


ツマさん、イノケさんと記念写真。

 9:25、帰国組は出国審査へ。教職員2人と学生3人が残る。イノケさんの車に4人が乗り、僕はツマさんと先に診療所に行くことにする。9:45ナンディのDSM Clinicへ。ここは保険でキャッシュレス診療が受けられるところだ。おそらく中野さんはそれをご存じなのだろう。待合室で診療カードを書いて提出し、待つ。10:35、診察室へ。問診を受け、痛むところを確かめ、レントゲン室に行くように指示される。エックス線技師の指示に従って、正面と横向きの2枚の画像を撮る。遮蔽がいい加減で、どうも全身にエックス線を浴びているような気がするが、まあいいか。それを持って階下の診察室へ。医師は、骨がBreakしていないから大丈夫だ、旅行を続けていいよ。あんたラッキーだね、まああと2週間は痛むだろうから、鎮痛剤を処方しよう、と気楽にのたまう。あと2週間痛むのか、おい。それはやっぱり骨折じゃないのか? ・・・あとで調べると骨折はfractureらしいので、まあ分離してずれていないということか。

 薬局に処方の指示を書いた紙を渡すようにいわれ、診察室を出て、通りの反対側の薬局へ。ここで3.75$の薬を3つもらい、待合室の受付へ。保険の書類を渡して、記入してもらう。何が何だかわからないが、とにかくエックス線撮影代も薬代も診察料も込みで、お金は払わずにすんだ。11:20。タノアに戻り、荷物を出そうとすると部屋の鍵が開かない。11時チェックアウトなのでカードキーが無効になってしまったらしい。再度受付に戻る。11:50タノアを2台の車で出発。タノアですませるつもりだった昼食が、レストランの改装工事で食べられない。ツマさんの提案でココナッツインに行くことにする。12:10頃ココナッツイン着(クラホテルレストラン)食事。13:00終了。ツマさんと佐藤さんは忘れ物を取りにタノアへいったん戻り、僕と学生3人は先にクロウズネストのチェックインを済ませ、シンガトカの町かどちらかで待ち合わせることにする。14:00クロウズネスト着、チェックイン、荷物の輸送。14:10ツマさんたち到着、シンガトカへ。シンガトカの駐車場でデポ荷物をイノケ車に運び、ツマさんはナンディに帰る。ハードウェアショップへ。値段調べ。


ハードウェアショップにて。

 15:10要件終了。16:10出発。クロウズネスト着。休息。レセプションで佐藤先生の包丁を確保してくれている。忘れ物について探してもらうよう頼む。18:00日没の写真撮影に干潮の海に出る。海岸でにっくき転落地点を確認。海岸の変質火山岩に枕状構造がないか少し見る。18:15戻る。19:00バーへ。またもやハッピーアワーでもめる。看板塗り直しておけよ、と暴れる。結果として端数の値引き。いつものことだが、困るなあ。21:00夕食。3人娘に任せる。オクラ、肉じゃが風煮物、生キャベツとツナ、ご飯。ご飯の出来は優秀だ。23:30、ネットに繋いだまま、アシスタントのデジカメデータの吸い出し途中で意識不明。1:00に気がついて回線を切る。3:00メール処理、4:00寝直す。

9/13

 6:00起床。コーヒーをすする。干潮で岩場が露出。朝焼けが美しい。7:30朝食はレストラン利用。注文も何もなく、自動的にコンチネンタルにされる。紅茶とトーストでいいと言ったのに全然聞いてはいない。8:15イノケさん到着。時間がないのでイノケさんに建材関係の値段調べをお願いすることにする。Hardwareショップに渡す物品リストを英語でわかるよう、学生に自分たちで書き直してもらう。9:00前にリスト完成し、イノケさんの細目打ち合わせ。9:17スバ行き高速バス到着。3人の学生が乗り込む。僕と佐藤先生もイノケさんの車で出発。シンガトカへ。シンガトカで2軒ショップを回り、値段表を書いてもらう。マーケットを歩いていると、でかいおばちゃんに後ろから「タワタワンジ!」と大きな声をかけられ、振り返ると今日も行くのか?と尋ねられる。顔はかすかに見覚えがあるが、どこの誰だったか。ともかく適当に挨拶する。恐るべし。10:20出発。11:00タワタワンジ着。村には入らずタワタワンジ北西のカーブのところから丘に登る。 12:40引き返す。


マングース。移入動物。

 13:00車で昼食。旧コロニサガナのお墓写真の撮影、建設場所のチェックをして、14:00トンガ経由で戻る。シンガトカで買い物。15:20クロウズネスト。イノケさんから金曜日の夕食をイノケ家でどうだと招待されるので、喜んで受ける。荷物を降ろし、別れる。ところがここでデジカメを車の中に落としたらしく、見あたらない。明日また会えるからいいかと思い、そのままにする。インスタントラーメンのスープで残りご飯を煮込み、処理。メール処理、記録、データ整理。UCカードのページにログインして使用状況をチェックする。やはり使用限度額を超えていて、使えない状態になっていた。90万円限度のところ、未決済が94.5万円。実習の経費をだいぶ立て替えたので仕方がない。使用限度額の一時引き上げ申請を打ち込む。とりあえず9/14-20を120万円として申請。たぶんこれで足りるだろう。注意書きによると審査のため確認の電話を入れるというが、本人が海外にいて、野外調査をしているのに、どうやって連絡を取るのだろう。とりあえず大学の電話番号を書き、本人は海外出張中と書いた。これでうまくいけばいいが。しかし便利な時代ではある。

 16:30昼寝。17:30起き出す。シャワー、外に出て夕陽を見ながら佐藤先生とスバ組の帰りを待つ。18:20バス到着。3人娘無事帰還。会計処理。萩谷酒店開業。19:30夕食。今日も佐藤先生力作のチキンのトマトスープ煮込み。キャベツの浅漬けチリ風味。たいへんありがたい。スバの話を聞く。こちらは午前中の値段表の話をする。お店の人が書いてくれた英語がひどく走り書きで、解読に難儀する。学生のデジカメデータの抜き出し。いろいろ。23時眠くなったので寝る。夜中何度か目が覚める。寝返りが痛いので2時間以上連続して眠れない。鎮痛剤を飲めばいいのだが、薬について調べてからでないとフィジーでは飲まない方がいい場合もあると聞いているので、ついつい飲まずにいる。

9/14

 6:15起床。夜中に寒くてタオルを肩にかけて寝直した。今日もいい天気だ。7:30残りご飯で佐藤先生がチキン雑炊をつくってくださる。8:10準備してイノケさんを待つ。8:20イノケさん到着。しかし今日の車は4駆のトラックで昨日と違う。3人の学生が乗るので車を代えてくれたのだが、そうなると昨日落としたデジカメの行方が心配だ。イノケさんからツマさんに電話してもらい、レンタカー会社に探してもらう。とりあえずなかったというが、あとでイノケさんが確認してくれるとのこと。迷惑をかけて申し訳ない。8:40シンガトカ、ランチとスズランテープの買い出し。今日はカバナガサウ・ロードを行く。埃が少ないからという理由で。学生達は大喜び。10:00タワタワンジ着。トイレを借りる。建設予定地に移動し、佐藤先生の指導で測量開始。僕はイノケさんと立ち話をして、腹筋が痛くなる。12:40昼食。測量は続くが、僕は疲労で車の座席を倒してダウン。昼寝させてもらう。13:30測量終了。裏山をみたいということで、ヤブをかき分け裏山を登る。地層を確認しつつ登り、1名尾根をきわめたいというので、引率教員としてついていく。14:10車に戻る。同じくカバナガサウ・ロードで戻る。15:30シンガトカ。16:00クロウズネスト。荷物を降ろして別れるとき、車の左前輪が下がっているのに気づき、イノケさんにスローパンクチャーだと教える。イノケさんはレセプション前で車輪交換しているのに気づいて佐藤先生と僕で行き、手伝う。すでにジャッキアップと外すのは終えていて、交換した前輪を固定したのは佐藤さんで、僕はほとんど何もしなかったが。17:00ネット。NHK関係の依頼。先に帰った箱田さんからも依頼らしきメール。今夜は原稿を書けそうだ。18:12ハッピーアワーの裸形のお兄さんが走り回る。18:30学生3人ハッピーアワーに行く。佐藤先生が料理。19:30夕食。缶詰のチキンソーセージ?と青梗菜の野菜炒め。おまけで0.69$と安かったイワシのトマト煮の缶詰を開ける。ご飯の出来はまあまあ。20:30片付け。データ抜き。メール処理。デジカメを失ったためか、いまひとつ気力が涌かない。23:30意識不明。

9/15

 何度か起きつつ、6:15起床。背中の痛みは軽い気がする。炎症が治まりつつあるということか。しかしなんだか背中に硬いずれるものがある。ずれたものが戻るときに痛む。これはなんだろう。もう2週間経つのだが。動けるのだからいいが日本に帰ってからきちんと診てもらわないといけない。7:30朝食。今朝は僕がこちらの1minute noodleを調理、2食分の麺を煮て、スープは1食分のスープとチキンコンソメとカレー粉と塩、それにキャベツとニンニクの薄切りをぶち込み、一度煮た麺を戻して完成。それなりに食える味になる。この即席麺は4分くらい煮込むのが重要だ。でないと粉っぽい。

 8:20イノケさん到着、シンガトカへ。駐車場でハードウェアショップのマネージャーに会い、学生がカーテン式ドア2種類の値段を聞く。明日10時に値段表をもらうことで時間変更。買い物。イノケさんが見つけてくれたデジカメを回収。感謝。心底ほっとする。やはり車の座席の下に滑り落ちていたらしい。イノケさんが自分で探してくれて良かった。10:00タワタワンジ、10:20道のカーブのところに車を止めて登り始める。11:20岩場に到達。全体像を見る。


トンガ(Toga)村。

11:40コロイエマル直下の森林に入る。植物の観察。大きな柑橘類の実をイノケさんが取ってくれる。水気はなくぱさぱさしているが、ともかく大きな夏みかんかグレープフルーツのようなもので、食える。シジミチョウの写真を撮る。つるにぶら下がってブランコをする。草地と森林との上部の境界を見に学生が登る。佐藤先生はオウムの羽を拾ってくる。どうも表面に水はないが、水の多いところの植物があるとイノケさんが指摘する。水が得られればいいが。12:40草地に出て昼食。風が気持ちがよいが、日が差すと暑い。それに蟻が噛みつくので困る。早々に山を下りることにする。13:10戻る。タワタワンジ村に戻り、休憩。トウモロコシをごちそうになる。ついでにバナナも。今日でまたしばらくこの村ともお別れだ。アシスタント学生の1人が遊びに行って戻らないので、行くぞこっちに戻れ、というのをフィジー語で教わり、学生が怒鳴る。笑われる。13:50建設現場に行き、建物の場所決め、くい打ち。やはり盛り土をしないと雨の時に厳しい感じだ。


全員で場所決め。くい打ち。

 14:20完了。手伝ってくれた若者(地主の息子)を残し、去る。途中で燃料不足に気づき、いったんトンガの対岸の売店に行き、イノケさんが燃料を買う。再度渡河してカバナガサウ・ロードを戻る。雨雲が近づいている。イノケさんの予報では、僕らが去ってから雨が降るだろうとのこと。時々小雨がちらつく。シンガトカ15:30着。短時間の買い物。クロウズネストに戻る。部屋に入って荷物をほどいていると雨が降り出す。さすがはもと漁師。天気に関する勘はたいしたものだ。ATSの谷さんにバスの時間確認。バス移動は無理のようだ。ツマさんに電話。明日、迎えに来てくれるということで感謝する。ネットにつなぎ、カードの使用限度額の変更ができたか確認。ところが増えていない。単なるUCカードではなく銀行系のクレジットカードなので、銀行系のそのカード会社に申請しないといけないということなのか。あるいは審査ではねられたのか。やれやれ、残りは手持ちの現金で処理するしかない。19:00夕食。佐藤先生がタマネギ・にんじん・ジャガイモとコンビーフでカレーをつくり、僕が最後の味付けにココナッツミルクを入れ、カレー粉を足して完成。コンビーフのにおいをココナッツミルクが消して、まあまあなんとかいい味になる。とりあえず好評だったのでほっとする。20:30デジカメデータ処理。22:00寝る。雷が鳴る。1:00豪雨で目が覚める。3:00なお雨が強い。

9/16

 6:30目が覚める。うだうだして7:00のツマさんの電話で完全に起きる。残り物のカレーをスパゲティにかけて朝食。依然として雨が降っている。8:45ツマさん到着。チェックアウトをすませる。忘れ物関係の確認をレセプションに依頼。逆に最終日にタオルがひとつなくなっていたとクリーニングのおばさんに言われ、10$をレセプションに払う。やれやれ。全部の荷物をトランクに入れ。後部座席に僕以外の4人を詰め込み、9:10クロウズネスト発。ハードウェアショップのVinod Patelへ。マネジャー氏に資材リストをもらう。コピーして2部リストを欲しいと学生がお願いし、30分待てと言うので学生は買い物に。ツマさんは僕から150$受け取って給油に行く。女性の買い物は何が楽しいのか僕にはよく分からない。たぶん一生分からないだろう。マネージャーはコピーではなく手書きで複製をつくってくれた。が、少し高い金額だ。10:00シンガトカ発。天気は小雨だが、北上するにつれ天候は回復する。11:00トカトカ着。部屋は幸いOKで、2部屋を隣に用意してくれる。受付の姉ちゃんはこちらの顔を覚えているのかもしれない。なんだか愛想がいい。オーナーが代わったことと関係があるのかどうか。荷物の運送をポーターと学生3人に任せ、僕と佐藤先生は測量関係や他の機材を乗せたツマ車でウイング事務所へ。11:30着。荷物を降ろす。2人で整理し、デポさせてもらう。ビデオカメラ用の三脚を探すが、ここにはない。問い合わせのメールを出す。返事がすぐに来ない。12:10ツマさんは故障したPCを取りに帰る。12:30、T23受け取り。起動せずブルースクリーンの症状。どうもFATが壊れている可能性を疑ってしまう。とりあえず預かって、ホテルでHDDを僕のT40のドライブベイに入れ替えて調べてみることにする。12:40ウイング事務所発、12:50トカトカ着。すでに学生はナンディタウンに出ている。佐藤先生と部屋に入り、とりあえずまずは乾杯。14:00昼食。野菜炒め麺を頼む。値段は11$程度とまあまあ、味はフィジー標準。問題は小さいゴキちゃん入りだったこと。自然科博の前委員長が見たら泣くだろう。無理をして食べる義理もないので1/3ほど残す。部屋に戻り、1時間ほど昼寝。ここではネットにつなぐことができない。外線発信はできるのだが、インターネットアクセスポイントの番号の100番台の局番にはかからないときている。前回文句を言ったらホテル内のインターネットカフェで使えといわれた。冗談ではない。日本語の送受信ができるとでもいうのか。こっちは仕事のメールのやりとりが必要なのだ。T23のHDDは中身が読めない。本体ごと日本に持ち帰って修理するのがよいだろう。16:30ツマさんから電話、19:00に家族がスバから来るので夕食はつきあえない、とのこと。17時すぎ、3人組戻る。17:45、3度目の通話でセンタイにつながる。忘れ物捜索の件を依頼する。夕暮れどき、巨大な雲が山脈にわいている。風上側に発生しているのか。


山脈に涌く積雲。

 18:30レセプションへ。ツマさんが来て車でイノケ家へ送ってもらう。ツマさんは家族の出迎えのためイノケ家前で別れる。再婚したイノケさんのお宅は長屋の奥にあり、玄関で靴を脱いで上がる。奥さんがインド系なのは知っていたが、大きな息子さんと義理の父が同居という大家族。上の息子さんは独立していて、下の息子さんがUSPのExtendedコースに在籍して、マーケティングを学んでいるとのこと。それでJack'sで働いていて、以前はメカニックとしてエンペラー金山で働いていたのだという。奥さんもちょうどJack'sで働いているところで、衣料品関係のパートをしていて、家でミシンを使って縫製の内職もしているらしい。今年のスルを2枚差し上げると喜んでくれる。昨年の武蔵工大スルを、ゴムで簡単なスカートにしているのを見せてもらう。応接間でビールとおつまみの揚げた麺と鶏の骨付きモモ唐揚げ、イノケさんと現在の彼の仕事場の話。金属鉱床のボーリング探査の話で、彼が2度手がけたナモシ鉱床の鉱化作用が2段階あるという話で盛り上がる。僕と彼だけで専門的な話になってしまい、ちと反省するが、面白かった。鉱床学をある程度学んでいてよかったと心底思う。いま日本の大学できちんと鉱床学を教えているところがあるだろうか。床に敷物を敷いて、インド料理をどっさり出してくれる。野菜、魚の揚げ物。カレー、チキンの煮物、ライス、ダールスープ。


イノケ家にて。

 ダール豆は自家製とのこと。ガーデニングの話を聞く。イノケさんは庭いじりが大好きらしい。食後に庭を見せてもらう。白いネコ(トマ)がすり寄ってくる。愛嬌のあるネコだ。ココヤシの苗木を育てる話。チリやインゲンやダール豆、バナナ、息子さんが切ったスイカを持ってきてくれる。緑の野菜の名前は何だったかな。茄子も育っている。21:30辞去する。息子さんがタクシーを呼び、乗り切れなかった僕はイノケ夫妻の小さい車の助手席に乗せてもらう。後部座席には奥さん。わざわざトカトカまでついてきてくれる。トカトカの玄関でお礼を言って別れる。22:00学生3人にバーで飲もうと誘われる。少し遅れて行き、カクテルにgolden Dreamというのがあったのでイノケさんとの山師話を記念してそれを頼む。出てきたらクリームの泡だらけでgoldはまったくなかった。黄金の夢なんてそんなものか。23:10バーの閉店で部屋に戻る。0:00寝る。

9/17

 思い切り寝坊して7:10起床。荷物をまとめる。残った物品の処分。機材の整理。8:25ツマさんの携帯に電話、3度目でつながり、日本で使う可能性があるのでエックス線フィルムを持ってきてくれるよう頼む。8:45きっかりにツマさんが迎えに来てくれる。4駆に荷物を積み込み、空港へ。谷さん、萩原さんがカウンター前で待っていて荷物受け入れとチケット配布。忘れ物の件を確認。やはり出ていないようだ。マナ島では全スタッフに通知して探してもらったらしい。毎回のことで申し訳ない。こちらもクロウズネストで出ていないこと、センタイに依頼したことを伝える。成田の荷物受け取り忘れの可能性があるので、その際の処理を聞く。9:10出国審査へ。待合所は混んでいるが、10時発のオークランド行きのためらしい。中央のカフェでダルスープを注文。5.5$で小さいパン3個つき、ホテルの朝食よりも割安でおすすめ。学生達は交代で買い物に。僕は昨日までにスーパで買いそろえたので、もはや買う気が起きない。包装にこだわらなければブラウンシュガーは2kgで100円だ。土産物コーナーで買うのがあほらしい。ココナッツクッキーが99cだったし、カレー粉も200gで100円ほどだ。缶詰もフィジー製1個50円から100円。ココナッツミルク120円。ビール100円。国産の生活必需品、食料品はとにかく安い。10:20頃、搭乗開始。長蛇の列ができる。またも満席だろうか。機材は以前としてカンタスの代機の767-338。若干広いのでありがたい。

 10:50の予定が11:06離陸。スクリーンに対地速度や高度、位置、外気温が表示されるので面白い。メモを取って気温の垂直分布をグラフ化すると面白かろうと思う。この機材がいつも使えるのなら、だが。飲み物、すぐに昼食。チキンは照り焼きチキンご飯。フィッシュは揚げ魚あんかけ麺。なるほど。中央3列席のまん中で、身動きが取れない。幸い背中は痛くないのだが。あと3時間。


H.Hagiya 2005.9.1-